競馬の枠連という券種をご存じでしょうか。
枠連は全ての券種の中でも唯一「枠番」を使って予想する馬券種で人によっては一度も購入したことがないという方も多いでしょう。
確かに、枠番を使って予想するのはあまり馴染みがありません。
実際に、全ての馬券種の中でも枠連の売り上げシェア率は約3%と、人気に劣る印象があります。
しかしながら、枠連ならではのメリットも存在し、枠連だけで競馬に勝ち続けている人もいます。
当記事では枠連の基本的な情報を紹介したうえで、枠連のメリットやデメリット、そして枠連を使った競馬の攻略方法についてまとめました。
競馬の枠連とは?馬連との違いや予想方法を解説
枠連は数ある券種の中でもマイナーな部類に入ります。
そのため、競馬を始めたばかりの人からしたら一度も枠連馬券を購入したことがない人も少なくないでしょう。
そもそも、枠連がどういった券種なのかわからないという方もいるかもしれません。
本章では最初に枠連がどのような券種なのか、似た名称の馬連との違いについて解説します。
枠連は「枠番」を使って予想する唯一無二の馬券種!
枠連は「枠番」を使って馬券を予想する券種です。
そもそも、馬券を買う際は、馬ごとに振り分けられている「馬番」を使って予想しますが、枠連だけは異なります。
枠連で用いる「枠番」とは、出走馬を最大8個の枠に振り分けて付けられた番号のことで、その最大の特徴は、一つの枠に複数等の馬がグループごとに分けられていることです。
上記の画像は2024年の日本ダービーの出馬表です。
一番左の「枠」という欄が枠番となり、8つの枠で振り分けられています。
例えば、1枠はサンライズアースとレガレイラの2頭が該当し、7枠にはシンエンペラーとゴンバデカーブース、そしてジャスティンミラノの3頭が入っているように、枠番は1~3頭の馬が振り分けられるのが最大のポイントです。
馬連との違いは「馬番」で予想するか「枠番」で予想するかのみ!
枠連と似た名称に馬連という馬券があります。
どちらも1〜2着に来る馬を2頭の馬券の組み合わせで予想する点は同じで、馬単と違って着順も問われません。
大きな違いは1点のみとなっており、馬連が「馬番」で予想するのに対し、枠連は「枠番」で予想します。
それ以外のルールは全く同じですが、知名度や扱いやすさ、そして配当妙味の期待値の高さから枠連よりも馬連のほうが売れ行きは良いです。
しかしながら、枠連は枠が8つしかないことから馬連よりも組み合わせ数は少なく、1点あたりの的中率は枠連のほうが高いですよ。
馬連より知名度は低いですが、枠連も上手に使えば高配当につながります。
枠連を使ったうまい買い方については、当記事の「競馬の枠連とは?うまい買い方3選」の見出しで詳細をまとめているので、ぜひご確認ください。
枠連の売り上げは年々低下している
2024年現在、中央競馬ではWIN5も含めて9種類の馬券種が発売されていますが、枠連はその中でももっとも売上のシェアが低いです。
2021年の統計を見ると、枠連の全体の売り上げは3%となっています。
3連単が30%、3連複が29%、枠連と似たような買い方の馬連が13%ほどあるので枠連のシェア率は低いといえるでしょう。
ただし、枠連もかつては多くの人に支持されていました。
もっとも売れていたのが昭和のころです。
このころは発売されていた券種が単勝と複勝、そして枠連しか存在せず、一番高配当に期待できたのが枠連だったので、高く支持されていました。
ところが、平成に入って馬連や馬単、3連複や3連単が発売されるようになると、これまで一獲千金を狙って枠連を購入していた人は次々とそちらに移行します。
また、枠連は他の券種とは違って枠番を使って予想しますが、枠連独自の買い方が新たな競馬ファンにはそこまで受け入れられませんでした。
以上のことから、枠連は歳月を重ねるたびに支持率を落としてしまったのです。
競馬の枠連とは:枠連の3つのメリット
枠連は全馬券種の中でもシェア率の低い券種ですが、他の馬券に勝るメリットも存在しています。
枠連のメリットについて、3つ解説するのでご確認ください。
その①複合馬券の中でも当たる確率が高い
枠連の大きなメリットとして浮かび上がるのが、複合馬券の中では的中率が高いことです。
複合馬券というのは、2頭以上の馬を組み合わせて予想する券種で、人気の券種である3連複、3連単も該当しています。
複合馬券は的中した時のリターンに期待できますが、選択した馬が馬券に絡まなければ配当につながらないため、難易度も高いです。
しかし、枠連は全体の組み合わせ数がそこまで多くありません。
例えば、フルゲート18頭立てのレースにおける枠連の最大の組み合わせ数は36通りです。
馬番で予想する馬連馬券のフルゲートにおける組み合わせ数は153通りあるので、その差は歴然と言えるでしょう。
枠連は複合馬券の中ではもっとも組み合わせが少なく、言い換えれば1点あたりの的中率が高いのが大きな強みなのです。
その②保険が利く
枠連は保険が利く券種としても有名です。
枠連で指定する「枠番」は、1〜3頭がグループごとに振り分けられています。
例えば、本命にした馬が着外に沈んだとしても、もう1頭の馬が連対圏に入線してくれたら配当につながるケースもあるのです。
馬番を指定して予想する馬番では枠連のような保険は利きません。
複数等の馬をグループ化している枠連だからこそできる業といえるでしょう。
その③オッズ(倍率)の変化が少ない
枠連は意外にもオッズ(倍率)の変化が少ないです。
そもそも、競馬におけるオッズは、全体の投票の割合で決まります。
例えば、ある馬に大口投票が入ったら全体の投票の割合が変化するため、大口の入った馬のオッズは減少する傾向が強いです。
しかし、枠連は馬券全体のシェア率が小さいことから、多少の金額で購入したとしてもそこまでオッズは変わりません。
シェア率が少ない事で極端にオッズが変化しないのがかえって枠連の強みになっているのでした。
枠連馬券は当たった時の配当予想が行いやすいという意味でもメリットといえます。
競馬の枠連とは?枠連の2つのデメリット
枠連馬券はシャア率こそ少ないですが、意外とメリットがある券種です。
しかし、どのような馬券にもメリットがあればデメリットも必ず存在しています。
ここからは、枠連のデメリットを2つまとめたのでぜひご覧ください。
その①平均配当は高くない
枠連は、的中率こそ高いものの、配当妙味は複合馬券の中では小さい部類に入ります。
なぜなら、枠連はフルゲートでも全体の組み合わせ数が36通りしかないからです。
1点当たりに投票が集中しやすくなることから、どうしても配当は小さくなってしまいます。
ちなみに、2022年の枠連の平均配当は2,070円でした。
馬番で予想する馬連の平均配当が5,013円なので、倍近く差があることが分かります。
枠連は馬券全体を通しても配当妙味は小さくなるため、枠連で大金を手にしたいのであれば多額の軍資金を用意したほうが良いでしょう。
その②買いすぎるとトリガミになりやすい
枠連は買いすぎるとトリガミになる可能性が浮上します。
一つ上の見出しと通じる点がありますが、枠連は平均配当が複合馬券の中でも安くなりやすいです。
そのため、あまりにも買いすぎると利益も減りますし、的中配当次第ではマイナスになるかもしれません。
ちなみに、枠連のフルゲートにおける組み合わせは36通り存在し、2022年の平均配当は2,022円なので、何も考えずに全通りしてもマイナスになる可能性のほうが高いです。
配当妙味が小さいことから、むやみやたらに購入するとトリガミが発生しやすくなるのが枠連のデメリットといえます。
競馬の枠連とは?うまい買い方3選
これまで枠連に関する基本的な情報をまとめました。
ここまでお読みになられた方の中には枠連でどのように利益を上げられるのか、気になった方もいるのではないでしょうか?
ここからは、枠連のうまい買い方を3つ紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
その①ひとつの枠から総流し
1つ目のうまい買い方は、「ひとつの枠から総流し」することです。
流しというのは、ひとつの軸となる馬(枠)を選択し、複数の相手候補に流す買い方で、馬券に絡むであろう馬を見つけることができれば少ない買い目で高配当に期待できる買い方です。
ただし、軸馬が馬券外に沈んだら、いくら相手馬が馬券に絡んだとしても馬券は外れになるため、ハイリスクハイリターンな買い方ともいえるでしょう。
突き止めることができれば有意義な買い方といえますが、枠連の1頭軸総流しは、7〜8点で購入することができます。
フルゲートにおける馬連の総流しは17点なので、軍資金が半分で済むのです。
枠連の総流しはフルゲートでも最低700〜800円あれば購入できるため、少ない資金で買うことができますよ。
その②穴馬同士が入った枠番を選ぶ
2つ目に紹介する枠連のうまい買い方は、「穴馬同士が入った枠番」を選ぶことです。
ある枠の馬が全頭人気落ちだった場合、基本的にその枠が絡んだ組み合わせは配当妙味が相当高くなります。
なぜなら、ほとんどの人がその枠番の馬が来ないと判断しているため、馬券投票が集まらないからです。
しかし、枠番には1〜3頭が振り分けられるため、単純な的中率でみたら好走する確率は高くなります。
例えば、フルゲート18頭立てのレースで圧倒的1番人気の馬がいる枠番と、全頭不人気の馬が3頭いる枠の組み合わせを購入し、圧倒的1番人気馬が1〜2着に連対したとします。
もう片方に連対する馬は残りの17頭で決まりますが、いくら選択した枠番の馬が全頭不人気だとしても、単純計算で連対する確率は3/17、パーセンテージで表すと17.6%もあるのです。
そして、仮に人気落ちが連対したら配当は間違いなく跳ね上がるでしょう。
単純な的中率から見たら意外と好走率は悪くないため、穴馬しかいない枠をあえて選択するのも配当妙味の意味で面白いですよ。
その③同じ枠番同士で馬券を買う
3つ目に紹介するうまい買い方は「同枠買い」です。
枠連は同じ枠同士で決着するケースも珍しくなく、同じ枠で購入することもできます。
ひとつの枠に対して2頭の馬がいるケースでも同枠買いは可能ですが、それなら同じ枠の馬を馬番で購入する馬番と違いはないように感じるかもしれません。
しかし、実は同じ枠の馬番買いと枠連同枠外には違いがあり、それはオッズに表れます。
そもそも競馬のオッズとは全体の投票の割合で決まりますが、全体の投票というのは馬券種ごとの割合を指しているのです。
これにより、同枠の馬連買いが投票が集中しすぎて安くなったとしても、枠連が一切売れていなければ枠連のほうが配当がつく場合も時々見ることができます。
同枠買いはあまり認知度がないですが、それゆえに高配当妙味を秘めている買い方といえるでしょう。
競馬の枠連とは?まとめ
今回は競馬の枠連について一通り紹介しました。
枠連は全券種の中でももっとも売上が小さく、競馬初心者の方の中には一度も購入したことがないという人もいるでしょう。
確かに、枠連を主流に馬券予想している予想家はほとんど見ないことからも分かるように、枠連はどちらかというと不人気な券種です。
しかしながら、枠連にもメリットとデメリットが存在し、特に、枠番を使った独自のシステムのために他の券種にはないメリットもいくつかありました。
また、枠連ならではのうまい買い方もいくつか紹介しています。
枠連馬券に興味のある方はぜひ当記事を参考にしながら競馬予想に取り組んでみてください。
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